英語日記をClaudeに渡して、自分の間違いだけでできた小テストを作ってもらう
添削をもらって、それで終わりにしたくない
英語の勉強に日記を書く、というのはよく聞く方法です。ただ、独学だと見てくれる人がいません。AIに「添削して」と頼めばきれいな英文が返ってきますが、読んで納得したところで終わりやすい。翌週、また同じところで間違えます。
今回試したかったのは、その先です。自分の日記を材料にして、あとで解き直せる自分専用の小テストまで作ってもらえるのか。作れるとしたら、どう頼めばそこまで行くのか。添削を読むだけでなく、「明日の朝に5分で解くもの」が手元に残るところをゴールにしました。
使ったのは架空の英語日記5日分
日記は僕が用意した架空のものです。英語を独学している会社員「佐藤サンプル」さんが、平日5日間に書いたという設定にしました。1日2〜3文、全部で12文です。間違いの数を決めて仕込んだわけではなく、学習中の人が書きそうな文をそれらしく並べただけです。
| 日付 | 日記 |
|---|---|
| 9/8(月) | I go to Sample Coffee before work this morning. I ordered a latte and it was very delicious. |
| 9/9(火) | Today I had lunch with Tanaka. We discussed about the new project. He is very busy recently. |
| 9/10(水) | I very like rainy days. But today I forgot my umbrella in the train. |
| 9/11(木) | I watched movie after dinner. It was so interesting that I couldn’t stop. I went to bed at 1 a.m. |
| 9/12(金) | This weekend I will go to shopping with my sister. I am looking forward to see her. |
この日記を自分で書いた本人のつもりで、同じ会話の中で順番に頼んでいきます。Claudeは料金ページによると無料プラン($0)でもWeb・iOS・Android・デスクトップで使えるので、同じことは無料で試せます(Claude 料金ページ)。
「添削してください」とだけ頼むと、日ごとの添削が返ってきた
最初は、たぶん多くの人がそうするであろう一言にしました。
英語の勉強で日記を書いています。添削してください。
[日記5日分を貼り付け]
全文をきれいに書き直した英文だけが返ってきて、どこを直されたか埋もれるだろう。そう予想していましたが、外れました。日ごとに「添削後」の英文があり、その下に直した箇所と理由が付いています。最後には「時制」「動詞と前置詞の組み合わせ」「very の使い方」と、全体を通した傾向までまとめてありました。9/10の分を抜き出します。
9/10 添削後: I really like rainy days, but today I left my umbrella on the train. ・very like → really like:very は動詞を直接修飾できません。 ・forgot my umbrella in the train → left my umbrella on the train:物を置き忘れた場所を言うときは、forget ではなく leave を使うのが自然です。電車の中は on the train と言います。 ・But で文を始めるのは日記ならかまいませんが、1文にまとめると流れがよくなります。
添削として読むなら、これで十分です。困ったのは、ここから小テストの材料を拾おうとしたときでした。
9/10は2文が1文にまとめられていて、元の文と見比べにくくなっています。そして、very like のような文法の間違いと、「1文にまとめると流れがよくなります」という好みの話が、同じ記号で同じように並んでいます。9/12には「will でも間違いではありません」と添えた上で I’m going に直した行がありましたし、9/11の I couldn’t stop にも watching を足す直しが入っていました。どれが覚えるべき間違いで、どれが「言えたらなお良い」なのか、読む側が仕分けないといけません。
Anthropicのプロンプトガイドは、Claudeを「優秀だがあなたのやり方を知らない新入社員」と考えて、望む出力の形式を具体的に伝えるよう勧めています(プロンプティングのベストプラクティス)。「添削して」だけでは、何に使うのかも、どんな形がほしいのかも伝わっていませんでした。
間違いと「もっと自然な言い方」を分けてもらう
そこで、目的と形を書き足して頼み直しました。同じガイドには、指示の背景や理由を伝えると目標を理解しやすくなる、とも書かれています。冒頭の「あとで自分で解き直したいので」がそれに当たります。
あとで自分で解き直したいので、書き直しは要りません。間違いのある文だけを『元の文/直した文/なぜ(日本語で一文)』の表にしてください。意味が通じていて、より自然な言い方があるだけの文は、表の下に別枠で『もっと自然にするなら』として分けてください。
返ってきた表がこれです。
| 元の文 | 直した文 | なぜ |
|---|---|---|
| I go to Sample Coffee before work this morning. | I went to Sample Coffee before work this morning. | 今朝のこと(過去)なので過去形にします。 |
| We discussed about the new project. | We discussed the new project. | discuss は「〜について話し合う」という意味なので about は要りません。 |
| He is very busy recently. | He has been very busy recently. | recently(最近)は、ふつう現在形ではなく現在完了形と一緒に使います。 |
| I very like rainy days. | I really like rainy days. | very は like のような動詞を直接強められません。 |
| But today I forgot my umbrella in the train. | But today I left my umbrella on the train. | 置き忘れた場所を言うときは leave を使い、電車の中は on the train です。 |
| I watched movie after dinner. | I watched a movie after dinner. | movie は数えられる名詞なので a が必要です。 |
| This weekend I will go to shopping with my sister. | This weekend I will go shopping with my sister. | 「買い物に行く」は go shopping で、to は付けません。 |
| I am looking forward to see her. | I am looking forward to seeing her. | look forward to の to の後ろは動詞の ing 形になります。 |
表の下の別枠には、次のような行が並びました(抜粋)。
もっと自然にするなら ・I ordered a latte and it was very delicious. → I ordered a latte, and it was really good.(delicious 自体に「とてもおいしい」の意味があるため、very とはあまり組み合わせません) ・This weekend I will go shopping with my sister. → This weekend I’m going shopping with my sister.(予定がすでに決まっているなら、こちらのほうが自然です) ・He has been very busy recently. は、He is very busy these days. と言っても大丈夫です。
形が変わったのは、この頼み直しからです。直した文は元の文の必要なところだけを変えた形になり、9/10の But も残っています。初回に I’m going と直されていた週末の予定は、表では will go のまま to だけが消え、I’m going のほうは別枠に移りました。
8行を並べてみると、この日記の書き手の癖も見えてきます。discuss about、go to shopping、looking forward to see と、3つが「動詞の後ろに何を付けるか」の間違いでした。
ただ、この仕分けはClaudeの判断です。recently の行では、Claude自身が別枠で these days を使った言い方を出しています。直した文が唯一の正解というわけではありません。迷う行があったら、「これは間違いですか、それとも好みの問題ですか」と聞き返してから覚えるほうが安心です。
日記の文がそのまま問題になった小テスト
表ができたところで、テストにしてもらいます。
この表の間違いを使って、明日5分で解ける小テストを5問作ってください。問題文には僕の日記の文をそのまま使い、間違っている部分を直す形式か、空欄を埋める形式にしてください。答えと一言解説は、問題を解き終わるまで見えないよう最後にまとめてください。
Claudeはテストの前に、一言だけ断りを入れていました。
表の8つのうち、形がはっきりしていて短時間で解きやすい5つを選びました。残りの3つ(recently の時制、傘の置き忘れ、go shopping)は、次のテストに回せます。
そして出てきたテストが、これです。
明日の5分テスト(9/8〜9/12の日記から)
【A】次の文には間違いが1か所あります。正しい文に直してください。
Q1. I go to Sample Coffee before work this morning.
Q2. We discussed about the new project.
Q3. I very like rainy days.
【B】( )に入る語を書いてください。
Q4. I watched ( ) movie after dinner.
Q5. I am looking forward to ( ) her.(see を正しい形に)
――――――――――
ここから下は、解き終わってから見てください。
――――――――――
【答えと解説】
Q1. I went to Sample Coffee before work this morning.
this morning のことを振り返っているので過去形。
Q2. We discussed the new project.
discuss だけで「〜について話し合う」。about は不要。
Q3. I really like rainy days.
very は動詞を直接強められない。really like か like ... very much。
Q4. a
movie は数えられる名詞。1本なら a movie。
Q5. seeing
look forward to の to の後ろは ing 形。
問題の英文は、どれも日記に書いた文そのものです。Aの3問はどこが間違いかを自分で探す必要があるので、Bより少し歯ごたえがあります。答えは区切り線の下にまとまっていて、問題のすぐ下には出ていません。
形が合わなかったら、見本の問題を1問貼って「この形でそろえてください」と頼み直すつもりでした。ガイドでも、例を見せるのは出力の形式をそろえる確実な方法の一つとされています。今回は、この時点で形が整っていたので使いませんでした。
思いどおりでなかったのは、5問の選び方です。僕なら傘の文は入れたかった。「忘れた」をそのまま forgot にしてしまうのは、いかにも日本語から考えた間違いに見えるからです。「傘の文は必ず入れてください」と一言足せば済むのですが、何も言わなければ、どれを出題するかはClaudeが決めます。
スマホのメモに移して使うなら
最後に、明日の朝にスマホで開く場面を考えて、もう一度だけ頼みました。
このテストを明日の自分に渡すための、コピペしやすい形(記号や表を使わないテキスト)にしてください。
【】や区切り線が消え、「問1」「問2」と番号を振った素のテキストになりました。末尾には、こんな一文が付いていました。
スマホのメモに貼る場合は、問題と答えを別々のメモに分けておくと、解く前に答えが目に入りません。
画面の上では「最後にまとめる」までしかできず、スクロールすれば答えは見えてしまいます。分けて貼るのは、地味ですが実用的な助言でした。
毎回この3つのプロンプトを貼り直すのが面倒なら、Claudeの「プロジェクト」機能が使えそうです。公式ヘルプによると、プロジェクトは無料アカウントでも使え(無料は5つまで)、プロジェクトごとに指示を書いておけます(What are projects?)。僕は今回この機能を操作していないので、ヘルプの紹介に留めますが、「英語日記用」のプロジェクトにプロンプトを置いておけば、日記を貼るだけで済むはずです。
まとめ
振り返ると、テストそのものより効いたのは、途中の表で「間違い」と「もっと自然な言い方」を分けてもらったことでした。初回の添削のまま5問を作っていたら、「will でも間違いではない」言い換えまで出題に混ざっていたかもしれません。テストが短く済んだのは、その前の仕分けがあったからです。
3回に分けて頼んだ内容を最初の1回にまとめて書いても、同じテストが出てくるのかは試していません。途中の表を自分の目で見て、仕分けに納得してからテストに進めたのは、分けて頼んだおかげでもあります。
それから、出題されなかった3つの間違いが表に残っています。次の日記を書いた日に、そこから始められます。