毎回貼っていた「です・ます調で、300字で」の前置きを、Geminiが自分で当ててくれるようになった|無料で登録する手順
社外への返信をAIに頼むとき、「です・ます調で、箇条書きにせず、300字くらいで」とメモ帳からコピーして貼っていませんか。貼り忘れると箇条書きの返事が来て、頼み直しになります。
Googleは2026年9月30日、Geminiに「スキル」という機能を世界で順次出し始めました(Geminiアプリのリリースノート)。いつものプロンプトを一度登録しておけば、合う頼みごとのときにGeminiが自分で使ってくれる機能です。あの前置きを、もう貼らなくてよくなるのでしょうか。
貼らなくても、Geminiが自分でいつものプロンプトを使う
決まった指示を保存しておく仕組みなら、Geminiには前からGemsがありました。ただGemsは、使うたびにサイドバーを開き、一覧から選んでから入力する作りです(Gemsの使い方のヘルプ)。選び忘れれば、前置きを貼り忘れたのと同じことになります。Gemsを作ってある人は、個人アカウントなら2026年11月から自動でスキルに移ります。会社や学校のアカウントのGemsは2027年に移ると案内されています。
スキルでは、この「選ぶ」がなくなります。いま頼まれたことに関係のあるスキルかどうかをGeminiが自分で見分けて、当てはまれば使う、と公式ヘルプにあります(Gemsからスキルへの移行のヘルプ)。登録したあとは「来週の打ち合わせを延期したいと先方に伝える返信を書いて」と、前置きなしで頼めばいいわけです。
複数のスキルを1つのチャットで重ねて使えるので、「社外メールの書き方」と「自社の言い回し」を分けて登録しておく使い方もできそうです。
使うかどうかは「説明文」だけで決まる
スキルは、名前・説明・手順の3つでできています(日本語の画面での呼び方)。Geminiが使うかどうかを決めるときに見るのは、このうち名前と説明文だけです(効果的なスキルを作成するためのヘルプ)。
Gemini は、スキルの名前と説明のみをチェックして、スキルがタスクに関連するかどうかを判断します。
「です・ます調で」と書いた手順のほうは、使うと決まってから読まれます。だから説明文には、何をするスキルかに加えて、どんな場面で使うのかを具体的に書きます。公式が勧めているのは、何ができるかを一文で書いたあと、「使用する場面としては」に続けて場面を並べる形です。
この形に合わせて、社外メールの返信用のスキルを1つ書いてみました。チャットにそのまま貼って送れます。
次の内容でスキルを作ってください。
名前:write-polite-reply
説明:社外の人へのメールの返信を、です・ます調の300字前後の文章で書きます。使用する場面としては、メールの返信を書くとき、お礼・お詫び・日程調整の文面を考えるときなどが考えられます。
手順:
・です・ます調で書く
・箇条書きにせず、ふつうの文章で書く
・300字前後に収める
・最初の一文で用件に答え、季節のあいさつは入れない
「手順」の4行は、いつも貼っている自分の前置きに差し替えてください。名前は公式の決まりに合わせて、小文字の英字とハイフンにしています。
登録はチャットで頼むだけ。無料で、条件は3つ
手間がいちばん少ないのは、チャットでGeminiに作ってもらう方法です(スキルを作成して管理するヘルプ)。
- パソコンのブラウザで gemini.google.com を開く
- 上のブロックの「手順」を自分の前置きに書き換えて、チャット欄に貼って送る
- できたスキルは[設定]→[スキル]のページに保存される。直したいところはチャットで伝える
料金はかかりません。ヘルプには「スキルは Google AI サブスクリプションがなくても利用でき、チャットで使用できます。」とあります。条件は、18歳以上であること、個人のGoogleアカウントでログインしていること、[アクティビティの保存]がオンになっていることの3つです。会社や学校のアカウントでは、いまは使えません。アクティビティの保存をオフにしている人は、オンにする前に公式ヘルプで中身を確かめてください。
日本はGeminiの提供国に入っていて(提供国の一覧)、スキルのヘルプにも日本語版があります。提供は段階的なので、[設定]に[スキル]が見当たらなければ、まだ届いていないということです。
非エンジニアにとって何が変わるか
いちばん効くのは、場面ごとに前置きを使い分けている人だと思います。社外メールは丁寧に、社内チャットは短く、議事録は箇条書きで。いままではどれを貼るかを、その都度自分で思い出していました。スキルにすれば、その思い出す仕事をGeminiに任せられます。
引っかかるのは、当たるかどうかが説明文の出来に左右されることです。説明文があいまいなら当たらず、場面を広く書きすぎれば、効いてほしくない頼みごとにまで効きそうです。効きすぎたスキルは[スキル]のページでいつでもオフにできます。毎回貼る手間が、説明文を一度ていねいに書く手間に置き換わる、と僕は受け取りました。
だから最初の1つは、「社外メールの返信」くらい場面がはっきりしたプロンプトがいいと思います。前置きなしで頼んで、文体がそろって返ってくるのを確かめてから2つ目を足せば十分です。