料金表のPDFをClaudeに渡したら、数量を選ぶだけで送料や特急料金まで計算する見積ページになった
「5箱以上で単価が下がる」「税込1万1千円以上で送料無料」「特急は印刷代の2割、最低1,000円」。見積を頼まれるたびに、料金表の端に並ぶこういう但し書きを指でたどりながら電卓を叩くのは骨が折れます。1つ見落とせば、送料を取り損ねたり、高く出しすぎたりします。
そこで、料金表のPDFをClaudeに渡して、数量とオプションを選ぶだけで金額が出る見積ページを作ってもらいました。いつも出すような見積を10通り入れると、税込の合計は10通りとも正しい金額と同じでした。返事には、料金表を作った僕が気づいていなかった曖昧なところまで書いてありました。
料金表のPDFを1枚渡したら、選ぶだけの見積ページが返ってきた
料金表は、架空の印刷会社の名刺のものを用意しました。名刺2種類に角丸・デザイン・特急のオプションが付き、表の下に但し書きが並ぶ、よくある形のA4 1枚です。計算に関わる行を抜き出すと、こうなります。
表示価格はすべて税抜です。 ※ 特急仕上げの料金は、印刷代(角丸加工・デザイン作成を除く)の20%です。最低料金は1,000円です。 ※ 送料は全国一律800円(税抜)です。ご注文金額(送料を除く)が税込11,000円以上の場合は無料です。
これをPDFにして、あとで載せるプロンプトを添えて渡しました。モデルはClaude Sonnetで、ウェブ検索は使わせていません。返ってきたページがこれです。

箱数を打ち込むと、その場で内訳と合計が書き換わります。頼み直しはしていません。
僕は手元の都合で、ページの中身を書き出してもらってブラウザで試しました。チャット画面で頼めば、会話の横の別の枠に開きます。無料プランでも作れますが、設定でコードの実行とファイル作成をオンにしておく必要があります(公式ヘルプ)。
いつもの見積を10通り入れたら、合計がすべて正しかった
1箱だけの注文、片面と両面を4箱ずつ、2箱だけを特急で、といった見積を10通り入れました。
但し書きも全部入っていました。単価は名刺の種類ごとに数えるので、片面と両面を4箱ずつ頼んでも8箱の単価にはなりません。特急の2割は印刷代だけにかけ、1,000円に届かなければ1,000円にします。送料無料かどうかは税込で判定し、消費税は合計に1回だけかけて1円未満を切り捨てていました。
内訳の行には計算の道筋が出ます。たとえば片面の名刺4箱にデザイン作成を1つ付けた見積は、税抜だと10,200円で1万1千円に届きませんが、消費税を足すと11,220円になります。送料の行はこう出ました。「送料 送料を除く税込 11,220円 が11,000円以上のため無料」。ページの下には、但し書きをどう計算に入れたかが6行で書いてあり、これを料金表と見比べれば、10通りを検算しなくても読み違いがないかを確かめられます。
返事の最後には、「料金表だけでは決められなかったこと」が8つ挙がっていました。その中に、角丸加工の値段について「165円は150円に10%を足した金額とぴったり合います。税込の価格がそのまま載っている可能性もあるので、確認してください。」という指摘があります。
165円はサンプルとして置いただけの数字で、僕は考えもしていませんでした。自分の料金表で本当にこうなっていたら、角丸の分だけ消費税を二重に取ることになります。
ページのほうは165円を表記どおり税抜で計算し、決めきれなかった点のうち2つに「仮」の印を付けていました。特急料金を注文全体で1回だけ取る、という決め方もその1つです。自社の決まりが名刺の種類ごとなら、ここは直してもらう必要があります。
そのまま使えるプロンプト
添付したのは、うちの会社の料金表です。
見積のたびに電卓を使わなくて済むように、この料金表で計算する「見積ページ」を作ってください。
・商品ごとの数量とオプションを選ぶと、内訳と合計(税込)がすぐ表示されるようにする
・料金表の但し書き(数量による単価、送料、オプションの条件、消費税の端数)は、すべて計算に入れる
・それぞれの但し書きをどう計算に入れたかを、ページの下に1行ずつ書いておく
・料金表だけでは決められないことがあれば、勝手に決めずに、返事の中で教えてください
ページの下の6行は、「ページの下に1行ずつ書いておく」の行から出てきました。計算の中身が見えないページは全部を検算しないと信用できず、それでは電卓をやめたことになりません。この行のおかげで、確かめる相手が10通りの金額から6行の説明に変わりました。
8つの指摘と「仮」の印は、最後の「勝手に決めずに」の行への返事として出てきたものです。この行を外した版は試していませんが、なければ165円は何も言われずに税抜のまま計算されていたかもしれません。括弧の中の但し書きの種類は、自分の料金表に合わせて書き換えてください。
明日から使い続けるために
チャット画面で作ったページは、サイドバーの「Artifacts」に残り、どの会話からでも開けます(公式ヘルプ)。リンクで同僚に渡すこともできますが、開く人もClaudeのアカウントが要ります(公式ヘルプ)。
使い始める前に、手で計算したことのある見積を2〜3件入れて、合計が同じになるかを照らしておくと安心だと思います。原価や社内向けの掛け率が入った料金表なら、会社の決まりと、チャットを学習に使わせない設定(公式ヘルプ)を確かめてから渡してください。
見積ページを頼んで返ってきた8つの指摘は、そのまま料金表の書き直しにも使えます。Claudeが決めきれなかったところは、お客様が料金表を読んで迷うところと、たぶん同じ場所です。